245:名無しNIPPER[sage saga]
2015/09/13(日) 23:25:49.26 ID:iRsMKuvc0
・・・・・・
結局、考えたことが何も纏められずに、住処に着いてしまった。
ふと、無性に煙草が吸いたくなった。そういえば朝の一服から吸っていなかった。
吸わない彼女たちに遠慮していたのもあったけど、なぜか吸う気が起きなかった。
そんな僕に心で首を傾げながら、作業着のズボンからケースを引っ張り出して、その内の一本を加えだした。
そしてそのまま家の近くの岩礁に腰掛ける。
なんとなしに空を見上げる。空は薄い雲が疎らに散在して、黄色い月に薄いベールを纏わせていた。
「満月か」
雲にモザイクを掛けられていたが、丸い光の輪郭にその形を察することができた。
それをぼんやりと見上げながら、煙草に火をつける。
嗜好品は一瞬だけ先端を強く燃え上がらせたあと、灰を纏った赤い円柱を作り上げた。
僕の呼吸に合わせて、円柱は強く赤く光り、僕の灰に煙を送り込む。
朝ぶりに吸い込む煙はとても美味しく感じられた。
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