257:名無しNIPPER[sage saga]
2015/09/21(月) 01:47:18.23 ID:nGhgZc7O0
「……だけど」
人の文化に大きく離れているであろうモノが、そんなものを身に着けるだろうか。
人間の蹂躙を目的とする深海棲艦が、身に着けるだろうか。
装飾なんて、人間の文化に触れて、理解できるものだけがする事だ。
あの異形が深海棲艦だとするならば、身に着けることなどしないだろう。
そうであるならば、あの異形は。
「……早計だな」
そうだ。早計なのだ。
いくら如月ちゃんのものと酷似しているものを持っているとしても、それが弥生ちゃんだとは限らない。
あの異形が『モドキ』だと決まったわけでもない。
ペンダントだって、本当に偶々身につけただけかもしれない。
提督が配ったものとも限らない。
何一つ、確証なんて得られていないんだ。
はっきりと判る事なんて、一つも無い。
だけど、あの異形を見たときから僕の直感は叫び続けている。
あの異形が、弥生ちゃんなのだと。
僕の直感はよく当たる。
その結果が悪ければ悪い程に。
気づくと咥えていた煙草の火は口元まで迫ってきていた。
煙草を腰掛けていた岩に擦り付け、火をもみ消す。
叫び続ける直感も、こんな風にもみ消せればいいのに。
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