379:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/15(日) 22:38:32.22 ID:wcpQ9csX0
「それでは『学校』に居た頃は卯月殿とも仲が良かったんですね」
弥生「……はい。とくに仲、良くて……いつもうーちゃんが私を引っ張ってくれて、色んな所に連れて行ってくれて……」
色んな所?特に施設の周りは戦争の時にまともに爆撃を受けてほとんど更地だった。そんな状態で行くところなんてあっただろうか。
それに施設に居た艦娘が外出したという話は聞いたこと無かったし、鎮守府以外に一時的にせよ送られたという話はなかった筈だ。
「色んな所、ですか?……辛いかもしれませんが、教えて頂けませんか」
弥生「……はい。街中で、お買い物、とか……遊園地、とか……」
思い出を語る弥生ちゃんの顔は辛いものだったが、その中でもどこか懐かしむような色があった。
現状はどうあれ、その時の記憶は幸せなものだったんだろう。
……でも、話の中で出てきた施設は当然キサラギの施設の中にも、周辺にも無かった。聞けば聞くほど、弥生ちゃんの記憶と僕の記憶とに齟齬が生じる。
無かったものを有ったと言う。記憶の中だけの存在。つまり、それは。
「……あぁ、そうか」
弥生「……番頭、さん?」
「あぁ、いえ、何でもありませんよ。良ければもっとどんなところに行ったかとか思い出を聞かせて貰えませんか」
弥生「……はい。他、には―――」
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