409:名無しNIPPER[sage saga]
2015/12/05(土) 02:03:14.01 ID:hluce5C80
提督「隊は足が速い隊とそうでないものと二つに分ける。足が速い隊は接敵次第、俺に状況を連絡しろ。指示を出す。それから援護に入れ。足の遅い隊は合流次第、先に接敵したものに状況を確認し、戦闘に入れ」
そう作戦を簡潔に伝えると、提督は出撃する者の名前を上げ始めた。
次々と上げられる艦娘の名前。その名前の中に、瑞鳳、摩耶、矢矧の名前があった。
名前を上げられ、瑞鳳は緊張に息を呑み、摩耶は心の中に闘争の炎を燃え上がらせ、矢矧はただ小さく溜息を吐いた。
三者三様の反応ではあったが、彼女たちの心には同じくして戦闘への気構えが出来上がっていた。
提督「先遣の部隊長だが……矢矧、頼む」
提督の指示に矢矧はさもありなんとはいと短く首肯した。
一見いささか傲慢ともとれる態度だが、それもそのはず、矢矧はこれより何度も部隊長として隊を率いた経験があった。
矢矧の持つ冷静で合理的な判断力、一瞬の機会を逃さない観察眼とそれを怯まず選び取る豪胆さを提督は買っていた。だからこその幾度の、そして今作戦の部隊長への矢矧の選任であった。
それは部隊の艦娘も理解しており、彼女の選任に不満を漏らす者はいなかった。
彼女の判断や指示に助けられた艦娘も多い。彼女の友人である摩耶もその一人だ。
矢矧の普段の態度に怒りはするものの、摩耶がそれ以上の悪感情を抱かないのもそれに起因している節がある。
しかしそれ以上に摩耶にとっては、矢矧が友人である、といった要素の方が大きいのだが。
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