435:名無しNIPPER[sage saga]
2015/12/13(日) 01:49:06.33 ID:ftiT5yXu0
「卯月殿、辛いかもしれませんが、どうして弥生殿を弥生殿として認められなかったのかもう一度教えて貰えませんか」
理由はもう解っている。これは彼女にもう一度なにが問題かをしっかりと理解して、どうすればいいのか考えて貰う為にやるのだ。
卯月ちゃんはまた少し顔を俯かせたが、口を開いてくれた。
卯月「……やよちゃんの記憶がないことと、ペンダントがない、から……」
「記憶、というのはこの鎮守府で過ごした間の事、なんですよね」
卯月「……うん」
「それ以前の……『学校』のことについて詳しく聞きましたか?」
卯月ちゃんは小さく首を振る。
行ける。『学校』の事も記憶にあるようだしここを攻めよう。
「弥生殿ともお話ししましたが、『学校』についての記憶はあるとのことでした。二人の思い出もあるとも。そのことについて少し弥生殿とお話ししてはどうでしょう」
卯月ちゃんは少しだけ目を丸くして、僕を見つめる。
「少し前の記憶は無くとも、『学校』で共に作り上げた記憶はあるんです。それを話せば弥生殿が弥生殿であるという確信はとれるのではないでしょうか」
迷った様子を見せながらも、卯月ちゃんはゆっくりと確かに頷いてくれた。
よし、これで彼女に話すことの意思を作ることが出来た。大きい前進だ。
……でもなぜ『学校』にいた時の事について聞かなかったんだろうか。それを聞けば本人の確認は取れたはずなのに。
それだけ鎮守府にいた間の思い出が重要だったという事か。でもそれにしか目が行かなくなるほどの理由とはなんなんだろうか。
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