453:名無しNIPPER[sage saga]
2015/12/27(日) 00:18:42.82 ID:xfTCBXyx0
順調に歩を進め、もうすぐ煙を抜け、敵の群れを突破できる。その時だった。
捉えていた敵の内一体が忽然と姿を消した。
那智「……が……ァあ!」
どうしたと思考を回したその寸瞬後、那智の右腕に鋭い痛みと熱が襲う。
彼女が視線をそこに向けると、鮫程の大きさの敵が腕に齧り付いていた。
敵が忽然と姿を消したのは海上から飛び上がった為にソナーが捉えられなく為に起こった事だった。しかし敵はこれを狙ったわけではなく、極まった混乱に我を忘れたに過ぎた無かった。
彼女は咄嗟に腕を振りまして振り払おうとするが、その口は一向に離れない。それどころかその腕を引き千切らんと歯を腕の肉に食い込ませた。
ブチブチと肉と肉が千切れる音が腕を伝い、歯が食い込んだ肉から温かい液体が溢れだす。このままでは腕を持っていかれてしまうの待つばかりだ。
振り払っても敵は離れない。だとするならば。
那智「邪魔だァ!!」
那智は食い付いた敵を肩の砲塔まで持っていき、噛みつく為に開かせた口に無理やり砲身を突っ込ませ、砲撃を行った。
砲弾は敵の奥まで届くと同時に炸裂。その体は爆炎に千千に弾け飛んだ。
敵は斃せたが、その代償は大きかった。砲撃の炎に焼かれたこと咀嚼による裂傷が激痛を呼び、碌に動かすことはできなくってしまった。
だが那智はそれでも満足だった。結果として右腕は使えなくなってしまったが、敵に腕に取られるよりよっぽどマシだったからだ。
最後の敵を抜け、同時に煙を抜ける。煙を抜けてきた那智を見た戦艦級の艦娘は驚きを隠せていなかった。
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