480:以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします[sage saga]
2016/01/20(水) 01:22:29.01 ID:hIGgmJpd0
敵の視界にはもう那智しか映っていない。彼女に敵の殺意と銃口が集まるのは当然のことだった。
だが、那智はそんな絶望的な状況であっても動じず、ただ、ニヤリと笑った。
動物である敵は、彼女の様子が何処かおかしいと思うことなく、淡々と弾を込め、彼女の命を奪う準備をする。
これから来るであろう死をただ座して待つ那智ではない。彼女も次弾を砲塔に込め、敵へ向けた。
しかし、彼女が撃つよりも先に敵の集中砲火が開始され、砲弾の雨と爆風が彼女を襲う。それでも那智は怯まず、敵に向けた砲身から弾を放つ。
霧島を包んだ炎から放たれた弾と共に。
炎を突きぬけた弾は複数の敵に直撃。思わぬ方向から飛来する弾に敵は回避することなど出来なかった。
不意を突かれた前衛の敵は那智の砲撃と相まって全滅を余儀なくされた。
那智「上手く行きましたね」
敵に目を向けながら、那智は誰へともなく声を掛ける。
霧島「死ぬかと思いましたけどね」
その声に答えるのは、先の砲撃の雨の中心にいた霧島であった。
那智は霧島を撃ってはいなかった。彼女の少し前方に浮いていた敵の死骸に砲撃を行ったのだ。
死骸に直撃した那智の砲弾は激しい爆風を引き起こし、霧島を後方へ吹き飛ばした。
彼女を爆風で焼くことになってしまったが、結果として敵の砲弾の直撃は避けられ、霧島の命は救われた。
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