50:名無しNIPPER[saga]
2015/06/21(日) 20:31:47.08 ID:K/PmJeyc0
言葉が出ない。
挨拶しなければ、何か言わなければと思考は巡るけれど、心の中を巡る激しい感情の奔流に口が言う事を聞いてくれない。
こんな激しい感情に襲われたのは……五回目だ。
一回目は学生時代にとある女の子に一目惚れした時。
二回目は目の前で家族が死んだ時。
三回目は友達が初めて戦死した時。
四回目は
瑞鳳「……どうしました?」
ずっと黙ったままの僕を不審に思ったのか、瑞鳳さんは訝るように声を掛けてきた。
「ああ、いえ……すみません」
内心穏やかではないけど、いつまでもそれに囚われている訳にもいかない。
瑞鳳さんに解らない程度に深呼吸をする。
うん、落ち着いた。……多少。
「瑞鳳殿が私の友人にとても似ていたもので、少し動揺してしまいました」
困ったような笑みを見せてみる。
それを見て瑞鳳さんはクスリ、と悪戯っぽく微笑んだ。
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