520:名無しNIPPER[sage saga]
2016/02/09(火) 23:32:27.96 ID:gEfRGdKp0
指示を受け、卯月を含んだ部隊は敵の進路に照準を向けて……砲撃。
砲弾は狙い通り進路へ集中、敵は東への進行を妨げられ、北へと進路を取りなおした。
よし、と卯月は拳を握りしめる。このままいけば敵を追い詰められる。
そう、確信した時だった。
進路を狙ったうちの一発が逸れ、棲姫の背中に直撃した。
ギラリ、と敵の怒りと憎しみが籠もった瞳が右翼の部隊に向く。そして運悪く……本当に運悪く、その瞳が卯月を捉えてしまった。
ゾクリとした恐怖が卯月に走る。
怖い。
彼女は初めて身を震わせる程の恐怖を感じてしまった。
しかし敵はそんなことを構うことなく、その身を北へ走らせながら体の向きを反転。そして左手を上げて卯月に対して狙いを付けた。
『砲撃、来ます!』
鳳翔の警告が耳を卯月の耳を劈く。
このままではまずいと彼女の頭は反芻するが、恐怖に囚われた卯月はまともに身動きがとることが出来なくなってしまっていた。
瞬間、敵が眩く光る。それは火薬が炸裂した際に出るマズルフラッシュであり、殺意が込められた死をもたらす光でもあった。
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