572:名無しNIPPER[sage saga]
2016/03/14(月) 22:27:46.68 ID:psMtSIwx0
卯月「あぐっ!!」
続けて第三射。またも弾は彼女を逸れたが、第二射よりもずっと近い。
至近距離の弾の炸裂による炎は更に強く卯月を焼き、吹きとばした。
敵は徐々に修正を掛け、確実に卯月へ当てに来ていた。次弾には直撃してもおかしくない。
四肢がバラバラになる様な痛み、そして煉獄に焼かれる様な熱さを受けながら、彼女は三度宙を舞った。
強い衝撃に意識が飛びそうになるが、全身を襲う激しい痛みがそれを許さない。
どうしてこんなことになってしまったのか。
流転する世界の中、痛みに喘ぎながら卯月はぼんやりと考える。
再び親友を失い、怒りに我を失って仲間の好意を踏み躙って、その上仇もとれずに嬲り殺される。
何一つ成し得ることができない自分に彼女は絶望してしまった。
この戦いに出る前に、そんな自分を卑下し、繰り返さないようにと戒めた筈なのに。
どうしようもない無力感。そしてそんな自分への嫌悪。
それらは次第に生への執着を薄くしていく。
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