過去ログ - 京太郎「私は、瑞原はやりです☆」
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321: ◆Lw8TjwCkqM[saga]
2015/06/05(金) 01:00:25.76 ID:ORx/XDDXo
はやり「あの…勝手に選んでるんで、しばらく一人にしてもらえませんか?」
「そう?、なら、決まったら呼んでね」
ちょっと、ぶっきらぼうだったかもしれない。ダメだな、私
何か、作業が残っていたのか、カウンターの奥に引っ込んでしまった
独りになった
甘い香りがする。私の、家のにおいだ
子供の頃、他の友達にそういうことをよく言われた。私から、甘い匂いがするって
ケーキ、クッキー、焦がしたキャラメル。発酵バターの香りが懐かしい
今、オーブンで焼いているのは、フィナンシュかな?
私もよく作った。彼女も、美味しそうに食べてくれた
甘い香りに釣られるようにして懐古していると、ドスンという重量感のある塊を落としたような音が聞こえた
カウンターの中を覗いてみる
はやり「どうかしました?」
「あたたた……一気に2個持とうとしたのがいけなかったわね」
手首のあたりを押えるようにして、一方の手で庇うような仕草をしていた
小麦粉だろうか、粉末の入った袋の一つが床に落ちていた。袋の形が少し変形しているけど、散乱はしていなかった
はやり「手伝いますよ。力ならあるんで」
「いやいや、お客さんにそんなことさせるには──」
はやり「いいんですよ。ほらっ、こんくらい軽い!、あの台に載せておけばいいんですね?」
「男の子は、力持ちねー」
はやり「他にも、何かありますか。ついでにやっちゃいますよ」
「あら、助かるわ。なら、このお砂糖の袋と──」
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