過去ログ - 京太郎「私は、瑞原はやりです☆」
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418: ◆Lw8TjwCkqM[saga]
2015/06/06(土) 22:40:23.18 ID:f9qhEBN0o
ホテルから出た
朝の爽やかさはもうなくなっていたが、深呼吸を一つし気持ちを整える
比較的、閑散とした道路を徒歩で進んでいく
奇妙な気分だった
眠気はあった。疲れもあった。倦怠感も
しかし、いつもとなにか、決定的に違う何かが……何かが
街路樹が、風によって揺れていた。軋む音がした
アスファルトと靴の擦れる音がした。遠くでは、既に雨が降っているようだった。雷も
周りには、誰もいなかった。声がした
この、お昼前の時間帯というのは、少し不思議な時間帯だ
この東京は、もちろん世界屈指の都市であり、人の数だって膨大だ。長野なんかとは、比べものにならない
去年の夏のインターハイ、朝の街並みを歩いたとき、なんのお祭りかと思ったもんだ
駅から流れ出ていって、そして流れ入っていくその光景は、初めはちょっと異様に映ったもんだった
大通りを、まるで規律を重んじる軍隊の様に闊歩するその様は、餌を運ぶ蟻のようだった
お昼時もなかなか凄かった
財布を片手に、巣から這い出てくるようにして高層ビルから飛び出すと、人気の飯屋に突撃をかますのだ
突撃は言い過ぎか。しかし、どこの飯屋も人で溢れる
人、人、人、人、人────……
しかし、この時間帯の趣は、多少異なる
この時間帯は、人が少ない。朝、あんなにいた人間は、一体どこに行ってしまったんだ?
もちろん、オフィスビルとか、駅の中とか、大学の校舎だとか、そんなところにいるんだろう
みんなが、あんな狭い所であくせくしているとき、俺は外にいる
そう思うと、優越感に浸れる
俺は、この時間帯の大都市が好きだ
なぜなら──
『声が聴こえるんだ?』
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