過去ログ - 京太郎「私は、瑞原はやりです☆」
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64: ◆Lw8TjwCkqM[saga]
2015/06/02(火) 00:42:46.24 ID:MVeHCSPq0
京太郎「ふー、疲れたな…」
なんか、凝った変装したり、思いがけない知り合いがいたり、とにかく色々あって予想以上に疲れた
今じゃ、須賀家より居心地の悪いあのアパートの一室が懐かしく感じられる。早く帰って休みたい
何気なしに、空を見てみた
京太郎「満月、か」
日本では、暦を読むことを「月を読む」と書いて月読(ツクヨミ)と言ったそうな──と、文学少女・咲から聞いたことがある
月読ってのはあれだ、よくゲームとか漫画に登場する強そうな神様。日本神話の神様らしいけど、俺はよく知らない
その、漫画とかゲームでお馴染みの神様が、実は元の神話ではほとんど語られていないと知ったのも、例の文学少女の入れ知恵だ
つまり、よく分からない神様なんだな
みんなに広く知られているものに限って、案外よく知られていなかったりするものだし、その多くは語ることができないということか
それが良いことなのか、あるいは悪いことなのか、今の俺にはよく分からないけど
例の髪飾りを、満月にかざしてみる。月の光が、髪飾りの輪郭をなぞる。どちらが本物の月なのか
京太郎「春日井真深さんだったか」
俺はまだ、瑞原はやりという人物が分からないけど、今日でほんの少しだけ何か掴めたような気がする
今まで考えなしに、キツイとか、痛い格好してるとか、いろいろ言って茶化してたけど、それはもうやめよう
そんなことしたって、彼女の輪郭がぼやけるだけだ。本物がどっちなのか分からなくなってしまう
俺は──いや俺だからこそ、彼女をアイドルでもプロ雀士でもない、一人の『瑞原はやり』として見なくちゃいけない
でないと、俺のことも分からなくなるから。そう、俺は瑞原はやりなのだから
京太郎「私は、瑞原はやりだ」
俺は、例の髪飾りを髪に結いつけながらそう言った
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