過去ログ - 京太郎「私は、瑞原はやりです☆」
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86: ◆Lw8TjwCkqM[saga]
2015/06/02(火) 01:09:42.11 ID:MVeHCSPq0

会場に向かうと、50人くらいか、それに匹敵する数の小学校低学年くらい子供たちが待ち構えていた

みんな、目をキラキラさせていた。憧れのプロに会えると、ずっと期待していたんだろう。純粋さの塊だった

健夜「若いっていいなー…」ボソ

京太郎「……ソッスネ」

良子「……」


最初は全体で、麻雀の基本的なルールの説明を行った

真剣に耳を傾ける子もいれば、落ち着きのない様子でキョロキョロしながら集中しきれない子もいた

俺たちの解説を聞きながら、うまく理解できなかった他の子に、丁寧に説明してあげてる優しい子もいた

ちょっと騒いで小鍛冶プロの雀圧?に圧倒される子、服装や髪の毛をやたらと気にする子

積極的に質問してくる子、モジモジしている子、ボーっとしている子、理解の速そうな子、いろんな子供たち


一つ一つ見れば、それは些細な可能性だけど、全体を俯瞰したとき、それがまるで無限のものに思えてしまうのは錯覚だろう

瑞原はやりは、アイドルでプロ雀士だ。しかし、彼女がまだ幼いとき、そこには色んな可能性があったはず

彼女は、頭が良かっただろうし、容姿だって優れていただろうし、人当たりだって良かっただろうし、麻雀の才能があっただろうし

つまり彼女は、特別に優秀な人間だった。おそらく、何にだって成れただろう

エリート官僚、弁護士に検察官、研究者、世界を股にかけたバリバリのビジネスウーマン

女優、ニュースキャスター、政治家、世間に偉そうに講釈垂れるコメンテーター

俺みたいな凡人が想像できるものなら、何にだって

誰の目から見ても、目移りしそうなその選択肢の中から、なぜ彼女は敢えてキワモノと言ってもよい牌のおねえさんの道を選んだのか

アイドルとして活動し始めた今の俺でも、未だにその気持ちはよく分からなかった

でも、きっと彼女の人生の中には、決して外には出ることのない大切な何かがあって、それが彼女をここまで導いてきたんだ


……髪飾り


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