過去ログ - 【ダンガンロンパ】霧切「探偵だけではない青春」2
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306: ◆AZbDPlV/MM[saga]
2015/07/25(土) 22:25:57.67 ID:8IoyEkab0
 人通りがそれなりにある道を、不二咲さんと歩く。不二咲さんから、私に話すタイミングを計るような視線を感じる。私から話を切り出した方がいいかしら…? そう考えていると、不二咲さんの方からおずおずとではあるけれど、口を開いた。

不二咲 「き、霧切、さん」

霧切 「何かしら」

 組んだ両手の指が不二咲さんの複雑な心中の表れか、閉じたり開いたりを繰り返している。そして、一度指はギュッと固く握られ、今まで見てきた不二咲さんの表情の中でも、一番決意と覚悟に満ちた顔で、不二咲さんは私を見上げた。

不二咲 「勘違いだったとしてもいい。そうだったらそうで、またきちんと全て話すから…質問してもいいかな?」

霧切 「ええ。もちろんよ」

霧切 「あなたの話したいこと、全て聴くわ」

不二咲 「ありがとう。霧切さん」

 少し安心したように笑って、直ぐに表情を引き締める。それが、彼にもう、打ち明けることに迷いや揺らぎがないことを示していた。

不二咲 「霧切さんは、僕が男だっていうこと…気付いてるよね?」

霧切 「ええ。出会った日から」

不二咲 「え?」

 “いつから?”そう訊かれることは解っているから、直ぐにそれも答えておく。私が気付いた時期を聴いて、不二咲さんは驚いた。

不二咲 「そ、そうなのぉ?」

霧切 「いくら体が華奢だといっても、やはり高校生。骨格、肉付きはしっかりと男性よ」

不二咲 「そう…なんだぁ」

 不二咲さんは私の言葉に、嬉しそうに少し照れた。“しっかりと男性”という言葉が嬉しかったのでしょう。不二咲さんのその反応が愛らしくて、思わず胸がきゅんとする。
 大事な話しをしているのに、心奪われている場合ではないわっ!

霧切 「どうして、あなたが女性の格好をしているのか、するようになったのか…訊いてもいいかしら?」

不二咲 「うん。自由時間の時、霧切さんが僕のこと気付いてるんだって解ったら、話さないといけないって思ったから」

不二咲 「きちんと話すよ」

 不二咲さんが笑ったように、私も笑って了承する。それから、不二咲さんは経緯を語りはじめる。


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