過去ログ - 【ダンガンロンパ】霧切「探偵だけではない青春」2
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◆AZbDPlV/MM
[saga]
2015/08/06(木) 19:50:20.12 ID:UzsZI2xF0
不二咲 「……そうだよね。霧切さんがこんな嘘、吐くワケないもんね……」
霧切 「……」
不二咲 「……」
霧切 「……」
不二咲さんの呟くようなひとことの後、重い沈黙が流れた。あまりにも長い沈黙だった。時が止まってしまったような気さえする静けさに反して、私の胸は焦燥感でざわついていく。
きっと“答えられない”ということが、不二咲さんの私への返事なのだろうと、戸惑わせてしまったことを謝ろうとした、その時――
不二咲 「悔しいな」
霧切 「え?」
沈黙を破ったのは不二咲さんだった。
不二咲 「全部しっかりしてから、僕から告白したかったのになぁ……」
今度は私が驚きで、さきほどの不二咲さんと同じように目を見開いた。
霧切 「……それは……?」
不二咲 「僕も霧切さんのことが好き、だよ…」
霧切 「っ!! ほ、本当にっ?!!」
不二咲 「嘘なんて吐かないよっ! 霧切さんが慌てるのって珍しいねっ」
霧切 「……っ」
喜びと動揺で声が大きくなっている私に、不二咲さんはおかしそうに笑った。
不二咲 「最初は、いつも自分の見据えるべき場所がみえてるっていうか、迷いのない視線がスゴくカッコよくて、なんとなく気になってて」
そんなことはない。迷って、悩んで、躊躇って…不二咲さんの目に映る私とは、まるで違う。それを知ったら、不二咲さんはどう思うのかしら……?
不二咲 「でも、だるまさんがころんだをしようって誘ったりするギャップがおかしくって、なんだか可愛くって、もっと霧切さんを気になっちゃって……」
……心配はいらないようね。
不二咲 「最近、よく話すようになって嬉しかった」
不二咲さんも私のことを想ってくれていた。とても嬉しい。頭の中で花が咲き乱れ、舞い上がっている、と言ってしまってもいいくらい、喜びに満ちていく。
不二咲 「でも、今は霧切さんの気持ちに答えちゃいけないって思うんだ」
霧切 「……え?」
不二咲 「だってまだ、みんなに僕が男だって明かしてない内から、霧切さんと付き合うなんて、ダメなんじゃないかって……」
霧切 「……」
それは彼なりのけじめなのでしょう。まわりに男性として認められていない内の交際は、自分自身許せない……。でも、それでも私は構わない。不二咲さんの気持ちを知れただけでも満足だわ。
不二咲 「でも、それは僕の勝手な都合で、霧切さんを待たせちゃうなんてダメだよね」
不二咲 「男らしくない」
霧切 「いいえ。そんなことないわ。もし、不二咲さんがいいと思えるようになって、その時まだ私を好きでいてくれたら、今度はあなたから告白して欲しい」
人の心は移ろうもの…不二咲さんが変わりたい、変わろうとする内に、今の心はどこか別の誰かに流れてしまうかもしれない。そうなったなら……私は諦める。
不二咲 「ううん。決めたよ! 今からみんなに打ち明けるよ!」
霧切 「……」
霧切 「えぇっ?!?!」
予想外の言葉に、一瞬思考が停止してしまい、素っ頓狂な声まであげてしまった。
打ち明けるっていうのは、自分が、男性だということを…よね?
不二咲 「霧切さん! 一緒に来て!」
不二咲さんの手が、私の手を掴んだ。展開についていけない私はまたも思考が停止する。
不二咲 「行こう!」
霧切 「ふ、不二咲さんっ?!」
そのまま不二咲さんは駆け出して、私も手を引かれながら追った。
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