過去ログ - 里志「え？　奉太郎が部活？」 -SS速報VIP

過去ログ - 里志「え？　奉太郎が部活？」

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37:名無しNIPPER
2015/06/07(日) 22:49:04.24 ID:gv3Ztr9H0
小走りに駆け寄ってきたホータローから鍵を受け取る。

ずっと握りしめていたらしいキーが汗で濡れていた。

「お疲れ様、」

38:名無しNIPPER
2015/06/07(日) 22:50:17.49 ID:gv3Ztr9H0
彼女はゆったりと立ち上がった。
「開けてくれて、ありがとうございます」
淑やかに頭を下げる。僕はそんな態度に驚嘆した。

閉じ込められていたというのに、こんなにも落ち着いていられるなんて。

以下略

39:名無しNIPPER
2015/06/07(日) 22:51:09.90 ID:gv3Ztr9H0
「あなたも古典部だったんですね　折木さん」

「ホータロー、知り合いなのかい？」

当の本人は呆けた顔を傾けている。そんな彼に彼女は続ける。

以下略

40:名無しNIPPER
2015/06/07(日) 22:51:50.37 ID:gv3Ztr9H0
「音楽の、選択授業、かな？」

「はい」

ぱぁあ、と満面の笑みを浮かべた。さて。僕も。

以下略

41:名無しNIPPER
2015/06/07(日) 22:53:53.82 ID:gv3Ztr9H0
千反田さんは僕の話を聞き終わると、そうでした、と興奮した様子で言った。

ホータローはそんな千反田さんを見て、

何か不吉な予感でも感じ取ったのか(ホータローはこう見えて勘が良いところがある)

以下略

42:名無しNIPPER
2015/06/07(日) 22:54:50.34 ID:gv3Ztr9H0
「考えてみようよ。ホータロー」

「うん」

渋々と言った様子で頷く。

以下略

43:名無しNIPPER
2015/06/07(日) 22:56:42.40 ID:gv3Ztr9H0
「ホータローはどうだい？」

「僕にも聞こえない、かな」

「私、耳はいいほうなんですよ」

以下略

44:名無しNIPPER
2015/06/07(日) 22:58:19.06 ID:gv3Ztr9H0
僕が小さく手招きをすると、ホータローは、はにかんだ。

どうかした、と聞くと一泊おいて話し始めた。

「里志、用務員さんとすれ違ったよね？　ここに来る前にさ」

以下略

45:名無しNIPPER
2015/06/07(日) 22:59:17.31 ID:gv3Ztr9H0
それでね、と彼は続けた。

「さっき鍵とってくるときに見たんだけど、マスターキーを持ってるんだよね」

「ああ。そういうことか」

以下略

46:名無しNIPPER
2015/06/07(日) 23:00:08.66 ID:gv3Ztr9H0
「えっとじゃあ里志…」

「ああ。昇降口で待ってなよ」

ホータローはバッグを担ぐと、足早に教室を出て行った。

以下略

47:名無しNIPPER
2015/06/07(日) 23:02:30.33 ID:gv3Ztr9H0
ホータローは自らの口では真相を喋らない。

自分が分かっていても、そっとヒントを与えるだけにとどめる。

もったいつけているのではなく、注目を浴びるのが苦手なのだ。

以下略

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