過去ログ - 速水奏「インタビュー・フォー・ヴァンパイア」
1- 20
14:名無しNIPPER[saga]
2015/06/06(土) 11:48:32.50 ID:XNBCNfvPo

 「っはぁ、はぁっ…………!」

周子が左手を胸に抱え込み、紅潮した顔で私を睨み付ける。
いえ、それは正確ではないかもしれない。
その整った顔に浮かんでいたのは、怒り、怯え、困惑と。


ほんの微かな恍惚。


 「ごめんなさい、いま治すわ」

周子の指を引き寄せて、魔法の呪文を紡ぐ。
静かに流れていた血が止まって、ゆっくりと傷跡が塞がっていく。
その様子を、私達は無言のまま眺めていた。

 「これが吸血。……ご感想は?」

 「……なんか、疲れた」

 「血が減ったせいね。後で何か食べに行きましょう。奢るわ」

 「お、じゃーあのイタ飯屋さん行こ。たらふく奢ってもらうかんね」

 「はいはい。全く高くついたわ」


私達の言葉は、嘘ばかりだ。



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
46Res/30.47 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice