過去ログ - 速水奏「インタビュー・フォー・ヴァンパイア」
1- 20
22:名無しNIPPER[saga]
2015/06/06(土) 17:59:36.45 ID:XNBCNfvPo
 ― = ― ≡ ― = ―


 「――塩見っ!!」


目の前で起きている出来事が理解出来ない。
力無く崩れ落ちた周子の指先が、怯えるように震えている。

 「救急へ連絡する。速水は何でもいいから布と飲み物を持って来い! ありったけだ!」

 「え、あ……」

 「はやく!!」

 「っ!」

頭で処理するよりも早く、私の脚が勝手に動き出した。
レッスン場の床に飛び散った汗で、トレーニングシューズが滑る。
ぽたぽたと滴ったのが汗ではなく涙だった事に、その時は気付けなかった。

 「……はは。おおげさ、だって」

 「お前は静かにして全部任せとけ……では、よろしくお願い致します」

少々呂律の怪しい舌で強がったまま、周子が救急車へ運ばれて行く。
私はその様を、どこかフィルムの中の風景のように感じながら眺めていた。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
46Res/30.47 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice