過去ログ - 速水奏「インタビュー・フォー・ヴァンパイア」
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名無しNIPPER
[saga]
2015/06/06(土) 17:59:36.45 ID:XNBCNfvPo
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「――塩見っ!!」
目の前で起きている出来事が理解出来ない。
力無く崩れ落ちた周子の指先が、怯えるように震えている。
「救急へ連絡する。速水は何でもいいから布と飲み物を持って来い! ありったけだ!」
「え、あ……」
「はやく!!」
「っ!」
頭で処理するよりも早く、私の脚が勝手に動き出した。
レッスン場の床に飛び散った汗で、トレーニングシューズが滑る。
ぽたぽたと滴ったのが汗ではなく涙だった事に、その時は気付けなかった。
「……はは。おおげさ、だって」
「お前は静かにして全部任せとけ……では、よろしくお願い致します」
少々呂律の怪しい舌で強がったまま、周子が救急車へ運ばれて行く。
私はその様を、どこかフィルムの中の風景のように感じながら眺めていた。
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