過去ログ - 速水奏「インタビュー・フォー・ヴァンパイア」
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25:名無しNIPPER[saga]
2015/06/06(土) 18:49:55.14 ID:XNBCNfvPo
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 「やっほ、奏」


綺麗な満月の晩だった。
窓から月明かりが差し込んで、周子の肌を妖しく照らしている。
月は彼女の味方だった。

 「元気そうね」

 「元気げんき。こんな入院服着たの初めてだよ」

 「まぁ、今日はゆっくり休みなさいな」

 「こんな時間に面会来といてその台詞はどうよ」

 「ごめんなさい、野暮用を済ませてきたの」

他のベッドに患者の姿は無い。良い事ね。
念の為にと放り込まれた病室のベッドの上で、周子はいつも通り私を出迎えてくれた。

 「暗いでしょう。電気ぐらい点けなさいな」

 「いや、今は暗い方が落ち着くしさ。それに」

 「?」

 「月がさ、奏みたいだなって」

 「…………」

全く、困った娘。
そういう台詞は、将来の良い人の為に取っときなさい。


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