2: ◆K27FRRVqmQ[saga]
2015/06/06(土) 10:04:58.51 ID:HNthBI530
忍「どんなお話なんですか?」
アリス「今聞いてたのはね、『火焔太鼓』っていう噺なんだけど」
アリス「道具屋の甚兵衛が、あるとき汚い太鼓を仕入れてくるんだけど」
3: ◆K27FRRVqmQ[saga]
2015/06/06(土) 10:06:33.57 ID:HNthBI530
忍「そうですか、金髪の美少女ではないんですね……」
アリス「うん、普通の落語には出てこないかな」
忍「それは残念です」
4: ◆K27FRRVqmQ[saga]
2015/06/06(土) 10:08:13.46 ID:HNthBI530
えー、江戸の時分に道具屋っていう、今でいうリサイクルショップみたいなお店があったんだけど、
今回はそれはあんまり関係なくって、カレンのおうちはお金持ちだし、それに広いからけっこう古いものがあるんだよ。
それに、カレンも小さい頃のものとかあんまり捨てないから、カレンのおうちの物置は道具屋さんみたいにいろんなものがあるの。
日本に来る時に、面白そうなものをちょっと持ってきたみたいで、それを見せてもらってるときに、
5: ◆K27FRRVqmQ[saga]
2015/06/06(土) 10:12:26.18 ID:HNthBI530
「あ、でんでん太鼓があるね」
「デンデンダイコ?」
「ほらこれ、カレンの物なのに知らないの?」
6: ◆K27FRRVqmQ[saga]
2015/06/06(土) 10:17:53.64 ID:HNthBI530
「あれ、ケータイ鳴ってるデス……Hello? あ、シノ。アリス?いるデスヨ」
「え、シノからの電話?」
「そうデス」
7: ◆K27FRRVqmQ[saga]
2015/06/06(土) 10:19:58.63 ID:HNthBI530
「んー、アリスが電話に出てるとヒマデス」
「でんでん太鼓、確かアリスはこうやって鳴らしてたデス」
そうしてカレンがでんでん太鼓をでんでんと鳴らすと、電話口のシノにもそれが聞こえたみたいで、
8: ◆K27FRRVqmQ[saga]
2015/06/06(土) 10:23:47.07 ID:HNthBI530
「ねえカレン、シノがこれから家に来てほしいって言ってるよ」
「それで、そのでんでん太鼓が見たいんだって」
「OK! 行くデス!」
9: ◆K27FRRVqmQ[saga]
2015/06/06(土) 10:26:26.82 ID:HNthBI530
そうして一足早く部屋に上がったシノとカレンは早速さっきのでんでん太鼓を取り出して、
それをカレンがでんでん鳴らすと、もうシノは大喜び。
まるで金髪を見るときのようにきらきらした目で、
「これがカレンが小さい頃から持ってたっていう太鼓ですか」
10: ◆K27FRRVqmQ[saga]
2015/06/06(土) 10:29:26.92 ID:HNthBI530
「これは……こけしデス?」
「はい、ミニサイズのこけしです。アリスはこういうの好きなのですが、私はいらないので」
「でも別にあれは価値のあるものでもなんでもないデス、だから……」
11: ◆K27FRRVqmQ[saga]
2015/06/06(土) 10:31:55.02 ID:HNthBI530
そうこうしているうちにシノの部屋のドアが開いて、
「カレン、シノにあの太鼓、見せた?」
「あ、アリス。あれはシノにあげちゃったデス」
12: ◆K27FRRVqmQ[saga]
2015/06/06(土) 10:35:51.76 ID:HNthBI530
「はい、カレンにあげられるものが他になかったので」
「じゃあ今日からシノはうちでホームステイするデス?」
「そうしましょうか」
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