過去ログ - めぐり「比企谷くん、バレンタインデーって知ってる?」八幡「はい?」
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593: ◆//lmDzMOyo[saga]
2015/08/07(金) 23:49:32.80 ID:OFktixYeo


   ×  ×  ×


教室を飛び出して、廊下を進んでいく。

その足取りは軽い。まるで羽が生えたようだ。今の俺ならば空だって飛べる! アイキャンフライ! 実際にやれば空どころか天国まで飛び立ててしまいそうなので、実行に移すのはやめておいた。

そんな道中で、一人のメガネを掛けた生徒とすれ違う。

別にそれくらい特別取り上げるようなことでもないだろう。しかし、何かが頭の片隅に引っ掛かったような気がしたのだ。

今のメガネ、どっかで見たことがあるような……。

──会長を、よろしく頼む。

八幡「!?」

どこからか響いた声に驚いて、バッと後ろを振り返る。

しかし振り返れども、そこにはガヤガヤと賑やかないつもの廊下の光景が広がっているだけだった。先ほどすれ違ったメガネの生徒の姿は、どこにもなかった。

……思い出した。さっきのメガネ、確か先代の生徒会役員のうちの一人だ。

先代の生徒会役員のめぐりさんに対する心酔っぷりはなかなかのものだったように記憶してる。当然ながら、そのめぐりさんと付き合うことになった俺に対しては思うことがあるはずだ。

けれども、今の言葉が先代生徒会役員たちの答えだとしたら──

八幡「……任せろ」

独り言のように、俺はそう小さく呟いた。

メガネの元役員の姿はどこにも見えない。ただで騒がしいこの廊下で、俺の呟きなんて届いているわけもないだろう。

それなのに、どこからか安堵したような声が聞こえたような気がした。





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