過去ログ - めぐり「比企谷くん、バレンタインデーって知ってる?」八幡「はい?」
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617: ◆//lmDzMOyo[saga]
2015/08/08(土) 00:07:21.20 ID:wlvUAMnco
別に、文化祭でも体育祭でもバレンタインデーイベントでも、そしてこの卒業式でも、俺はそんなに大したことをしたわけではない。けれどこの人は言うのだ、みんなに知ってもらいたかったと。

しばしの間、沈黙を尊んでいると、グラウンドを見ていためぐりさんの顔が俺の方に向いた。

めぐり「名前も出してないし、あれじゃみんなには伝わらないかもだけどね」

八幡「……別に伝わらなくてもいいですよ。むしろあれでめぐりさんが変なこと言われる方が嫌です」

実際、あんなこと言ってめぐりさんは他の三年生に何か言われてたりしないのだろうか。そちらの方がよほど心配である。

ちなみに当然俺は他の二年生にどうこう言われることはなかった。俺とめぐりさんのことを知ってるのなんて雪ノ下、由比ヶ浜、戸塚くらいだし、めぐりさんの言った大切な人とやらがまさか俺のことだと疑ってかかる奴などいるはずがないだろう。俺の名前まで出さないでくれてよかった。

めぐりさんはやや俯いて、ポツリと漏らす。

めぐり「……そうかな。私は、ハチくんが頑張ってたこと、本当はみんなに知ってもらいたかったんだけどな」

八幡「……」

決して、俺はあれらの行事が自分なくしては成り立たなかったなどとは思ってはいない。俺がいなかったらいなかったで、きっと他の人がどうにかしてくれていただろう。

だから俺の行動がどうであれ、それを見知らぬ誰かとやらに認めてもらいたいだなんて考えちゃいない。

それに、仮にあれが功績と呼べるようなものだったとして、そんな不特定多数の人間に功績を認められることより──

八幡「今更知らん人にどうこう言われてもどうでもいいですし。それより俺は……めぐりさんに認めてもらえる方が嬉しいです」

──めぐりさんにそう言ってもらえることの方が、よほど嬉しいことだった。


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