過去ログ - 仗助「艦隊これくしょんンンン〜〜〜〜?」
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193: ◆rVyvhOy5r192[saga]
2015/06/21(日) 23:09:06.26 ID:o8DMTd5gO


 十年以上前の話だ。

 ある雪の晩、四歳の子供だった東方仗助は生死の淵をさ迷うほどの高熱に魘されていた。大人ですらも耐えられない熱。

 彼の母は息子の命を危ぶんで、車を出したが、しかし仙台の豪雪に――しかもその年の記録的な豪雪を前にタイヤを取られてしまった。

 雪に埋まったタイヤ。

 助けを呼ぼうにも運悪くそこは、開発されていない――コンビニどころか公衆電話もない田舎道だ。

 東方仗助には、父親がいない。そして運転できるのは彼の母親しかいない。

 止まってしまったタイヤをどうするのか。息子が、今も高熱に魘されているというのに。

 そう――仗助が熱に苛まれるその時に現れたのは、一人のリーゼントヘアーの少年だった。

 喧嘩後のような、青アザや切り傷が浮かぶ不良少年。

 怪我を負っている彼を不信に思う東方仗助の母だったが……それを前にその少年は、ただ一言言った。


『その子……病気なんだろ?』


 それから彼は躊躇いもなく己の勲章足る学生服をタイヤの下に強いて、車を押した。

 雪道を走る為にチェーンが巻かれたタイヤは、容赦なく彼の上着を傷付けるだろう。

 だと言うのに、その少年は構わず仗助たちを助けたのだ。雪の降る最中に。



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