過去ログ - 仗助「艦隊これくしょんンンン〜〜〜〜?」
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984: ◆rVyvhOy5r192[saga]
2016/01/01(金) 22:03:12.88 ID:e3MAfn1io

 自棄になったか。それとも捨て鉢なのか。この期に及んで、何かしらの幸運が舞い降りる事を期待しているというのか。

 無論――


(ここで……やはりどうにかするしかねーみてーッスね……『予定通り』『依然変わりなく』)


 ――そのどれでもない。東方仗助は、そのような男ではない。

 震える手で、彼の持つ残りすべてのチップ――すなわち『七つ』。参加料として提出した一つを除いた、テーブルに散乱する六つを掴み上げる。

 あらかじめ、手元で六つの塔を作り……そして、既に築かれた二つの並んだ山を目指す。そんな手法。


「それ、却って危ないんじゃあないか?」

「うるせーんスよッ、あんたは黙ってみてるんだよ、黙ってッ!」


 バランスが肝心。僅かに角度が〇.一度ですら傾いただけで崩壊するプラスチック製の頼りない塔。

 当然ながら、それを運ぶ仗助の手つきというのは牛歩が如く遅々としたものであり――頬に冷汗を垂らしながらも。

 営業を行うサラリーマンが何度も何度も頭を下げる風に、角度を変えて塔の具合を伺いながらも、蝸牛がごとき速度で末端の震えを噛み殺す仗助。

 心臓の鼓動を伝える血管。関節の稼働につっかえる軟骨。筋肉の動きに揺れる腱――――それらが齎す指先の強張り。

 尖らせた口先から、細く、長く、仗助の吐息が宙に歩み出す。


「……ふぅ」



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