1:名無しNIPPER[saga]
2015/06/08(月) 03:03:59.27 ID:E9PmOV9d0
浜風「それではあなたの願いは一日のオリョクルを減らして欲しいということですね?」
58「そうでち! 朝も昼も夜もオリョクル、オリョクル! あそこは労働基準法を無視してるでち!」
憲兵「どうするよ? 浜風。一昔前なら潜水艦に人権はないからと突っぱね返せたかもしれないが、今は潜水艦の保護運動が高まってきている」
浜風「そうですね。ですから、減らしてあげようと思います」
58「本当でちか!? でも、一時的なものだったら困るでち」
浜風「ご安心を。私に任せてください」
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2:名無しNIPPER[saga]
2015/06/08(月) 03:06:37.43 ID:E9PmOV9d0
島風「提督! 早く、早く!」
提督「少し待ってくれ! 島風!」
島風「提督、おっそーい!」
3:名無しNIPPER[saga]
2015/06/08(月) 03:08:35.72 ID:E9PmOV9d0
島風「流石にそこまではないよ!」
提督「どうだろうな。島風も衰えたから、相対的にそう感じるだけかもしれないぞ」
島風「島風はずっと速いもん!」
4:名無しNIPPER[saga]
2015/06/08(月) 03:19:04.24 ID:E9PmOV9d0
島風「………静かだね」
提督「俺たちの足音以外は聞こえない」
島風「昔はもっと騒がしかったよ」
5:名無しNIPPER[saga]
2015/06/08(月) 03:27:14.72 ID:E9PmOV9d0
島風「どうしてこうなったのかな」
提督「俺と二人のかけっこでは不服か」
島風「そうじゃないけど」
6:名無しNIPPER[saga]
2015/06/08(月) 13:33:48.92 ID:E9PmOV9d0
島風「どうしたらそこに留まれたのかな」
提督「どうしようもない」
島風「そうかもしれないけど」
7:名無しNIPPER[saga]
2015/06/08(月) 13:34:36.98 ID:E9PmOV9d0
島風「ねえ、提督は私と一緒にいてくれるの?」
提督「ああ、お前がどんなに走り続けても、ついて行ってやるよ」
島風「………そう」
8:名無しNIPPER[saga]
2015/06/08(月) 13:35:27.08 ID:E9PmOV9d0
島風「ねえ、提督」
提督「なんだ」
島風「昔はあんなに楽しく思えたかけっこも最近はなんだかつまらないです」
9:名無しNIPPER[saga]
2015/06/08(月) 13:36:20.32 ID:E9PmOV9d0
島風「走り続けていないと今日を生きれない気がするんです」
提督「………そうか。それなら走らないとな」
島風「それで沈みゆく太陽を追いかけ続ける日々月々です」
10:名無しNIPPER[saga]
2015/06/08(月) 13:37:24.17 ID:E9PmOV9d0
島風「そうです。生きがいなんてない方がいいんです。私にとって走ることを生きがいに感じてしまった時からですよ。走ることも生きることも虚しく思いだしたのは」
提督「どういうことだ。昔の走ること自体が楽しかった時も楽しいからこそ生きる活力になっていたんじゃないのか」
島風「うーん。どう言えばいいんでしょう。確かにそうなんですけど、今は昔と違ってどこかで「これは生に意義を与えるか」という視点があって、純粋に楽しめないっていうか」
11:名無しNIPPER[saga]
2015/06/08(月) 13:38:33.59 ID:E9PmOV9d0
島風「親切?」
提督「ああ。例えば、重たそうな荷物を肩代わりしてやる行為を考えてみても、相手が若い美女だったら下心からだと周りに判断されるだろうから、彼女が明らかに困っていても親切行為ができないみたいな」
島風「本当に親切な人ならば衆人の評価なんて気にしないと思います」
12:名無しNIPPER[sage]
2015/06/08(月) 21:16:48.86 ID:+QGqtqUUO
なんかわからん
13:名無しNIPPER[saga]
2015/06/08(月) 22:36:47.24 ID:E9PmOV9d0
島風「だって、自分は純粋に行為を目的とした行為とまだ納得できるんですから。彼は己で目的を横目に行為を侮辱しているわけではありません」
提督「島風、君は随分と変わった罪悪感を持っているようだ」
島風「そうなんですか?」
14:名無しNIPPER[saga]
2015/06/08(月) 22:37:41.92 ID:E9PmOV9d0
島風「どうだろうなってどういうことですか」
提督「君は今日を生きるために走ると言っているが、その目的を果たせているか」
島風「そうしないと一日に留まれません」
15:名無しNIPPER[saga]
2015/06/08(月) 22:38:22.34 ID:E9PmOV9d0
島風「では、もしこれをやめた後にどうすればいいと思いますか?」
提督「俺たちが置き去りにした鎮守府に帰るしかないだろうな」
島風「今更ですか?」
16:名無しNIPPER[saga]
2015/06/08(月) 22:39:29.65 ID:E9PmOV9d0
島風「そうですね。きっと許しや罰なんてものもないかもしれませんね」
提督「どうしてそう思う」
島風「鎮守府を置き去りにしたと思っていますが、その実置き去りにされたのは私達かもしれませんから」
17:名無しNIPPER[saga]
2015/06/08(月) 22:57:40.47 ID:E9PmOV9d0
島風「もう私達は鎮守府に必要とされてません。そして、鎮守府から離れたのは私達の方です。それに文句は言えません」
提督「それもそうだ」
島風「だから、私達は結局この今にしがみつくしか道がないんです」
18:名無しNIPPER[saga]
2015/06/08(月) 23:11:20.52 ID:E9PmOV9d0
島風「提督には長生きしてもらわないとね!」
提督「最近の医学はすごいからな。平均寿命が400歳を超えたというニュースを何年か前に見たから、今は1000歳を超えているんじゃないか」
島風「でも、私達は時代遅れだからその恩恵は得られそうにないです」
19:名無しNIPPER[saga]
2015/06/08(月) 23:27:43.60 ID:E9PmOV9d0
憲兵「世の中は大混乱に陥っているぞ」
浜風「そうですか」
憲兵「無茶苦茶やってくれたな。お前のせいで、世界のあらゆる時計が狂って無用のものと化した。針は自分を扇風機と勘違いしてるのか高速で回り続け、デジタルは数字を点滅させ続け、太陽と月はぐるんぐるんとスロット状態だ」
20:名無しNIPPER[saga]
2015/06/08(月) 23:44:21.92 ID:E9PmOV9d0
憲兵「良いわけあるか。一週間の本部への定期連絡は今やツイッター並みだ。「カップ麺なう」しか書く事がない現状だ」
浜風「楽できていいじゃないですか。いつも面倒に思っていたのでしょう。依頼も完了です」
憲兵「一日のオリョクルを減らすために一日を減らす奴がどこにいるんだよ」
21:名無しNIPPER[saga]
2015/06/08(月) 23:58:04.56 ID:E9PmOV9d0
憲兵「それはどうしたんだ?」
浜風「無視しました。潜水艦への権利運動も既に過去のものですから、私達が聞いてやる必要もないでしょう」
憲兵「そうか。くそ。新聞の記事も低俗になったな。バイブを使った新しいオナニーの仕方が一面を飾ってやがる」
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