過去ログ - ニセコイSS「アマザケ」
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11:名無しNIPPER
2015/06/11(木) 00:14:06.81 ID:kmZ4QHJb0
ビクビクと痙攣する鶫の隣に立ち尽くしていたのは、ずっと探していた愛しの彼、一条楽。
「あんた鶫に何してんのよー! っていうかそんなことより親友ってどういうことよバカァー!」
衝撃的な光景も、大好きな男の子からかけられた期待外れにも程がある言葉への憤りにはかなわない。
足元はふらふらしていても、駆け寄る勢いと腕の振りを活かして繰り出した一撃はあのもやしを吹き飛ばすには十分な威力。
……だったはずなのに、楽はわたしの拳を軽く片手で受け止めて、それどころか腕を取るとくるりとわたしの身体を回転させた。
ただでさえふわふわしているのに天地が分からなくなる。気がつけば私は、楽の両腕で抱きとめられていた。

「な、なによ、ばかもやし……わ、わたしなんて、ど、どうせ暴力ばっかり振るう男友達みたいにお、思ってるんで……」
「千棘」
びくり。耳元で名前を呼ばれた。楽の吐く息が耳朶をくすぐり、思わず身体が跳ねる。

「な、なな、なによ……!」
「親友じゃ……嫌か?」
いつもよりも低い声で囁きかける楽の声。身体はさっきから火照っているはずなのに、どうしてこんなにゾクゾクするんだろう。

「い、いやに決まってるじゃない……わ、わわ、わたしは、あんたとホントの恋人になりたいのっ!」


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