過去ログ - ニセコイSS「アマザケ」
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12:名無しNIPPER
2015/06/11(木) 00:15:40.12 ID:kmZ4QHJb0
思わず大声でとんでも無いことを言ってしまった気がする。
だけど楽は慌てた素振りもなく、変わらず低い声で言う。
「そっか……でもな、千棘。親友だろうと恋人だろうとお酒の勢いだろうと……やっちゃいけないことがあるんだぜ……?」
「な、何を言っひゃあっ!」

さっきまで吐息がかかっていた耳朶に、柔らかくてぬるぬるしたものが絡み付いてくる。
ぺろりと舐めたり、優しく歯と歯、唇と唇で挟んだり。
感じたことの無い感触とえも言われぬ快感が、耳から全身へと広まっていく。
「ら、楽ぅ……」

いつもとは全く様子の違う、ニセの恋人に呼びかけたその声の返事は、耳の穴に差し込まれた楽の舌だった。
じゅるじゅると、ちゅぱちゅぱと、淫猥な音を立てて楽の舌が耳の中を這い回る。
頭の中の全部がそんな水音に埋め尽くされていく。
思いもよらない出来事になすがままにされながら、その身を支配する快楽とは真逆に、
わたしはどんどん意識がハッキリしていくのを感じていた。

「あ……はあっ、わ、わたしたち……あっ、そ、そうだ、あ、甘酒を飲んッー!!」
わたしの耳をベトベトに蹂躙しながら、身体を抱きとめていた楽の両腕が胸元と太ももから這い上ってくる。
際どいラインを伝いながら、だけど肝心なところには触れないように。

触れられたら、きっと、どうにかなってしまう。

「ら、楽っ、ダメよ、わ、わたしたち、だって、し、親ゆ……あっ」

楽の両手が私の芯を捉えた。
頭の中が真っ白になって、もう何も、考えられない――。


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