19:名無しNIPPER
2015/06/11(木) 00:29:27.35 ID:kmZ4QHJb0
「だ、だめばい……らっくん……んっ……」
楽様の唇が私の唇と触れる。柔らかい感触と、かすかな湿り気。
時折唇の間から漏れる、切なく苦しげな吐息。
まさか、楽様の方から、こんな風に……。
いつしか私は夢中になって、楽様の唇を貪るようにキスを繰り返していました。
「万里花、ゴメンな。ずっと気付いてやれなくて、無理ばっかりさせて。でももう大丈夫。
なんでだか頭がスッキリして、俺mようやく気付いたんだ。いいか、俺がお前を元気にしてやる。
それで、元気になったら、また一緒に遊びに行こうな」
楽様の、いつもより少し低いけれど優しい声。
こんなに近くでその凛々しいお顔を見ることができるせっかくのチャンスなのに、
私ときたら、目の前が滲んで、何も……見えません……。
「らっくん……好いとーよ……」
しゃくりあげそうになるのを堪えながら、どうにか口にしたその言葉。
楽様の回答は、雨のように優しいキス。
ああ、あれほど思い悩んでいたのに、病気のことなんてすっかり忘れてしまいそう。
お互いの身体に指を這わせて、撫でて、摘んで、握って……。
「ああ……らっくん……そがん所ば……ダメばい……! ああ……でもらっくんが良かっていうなら……私は……」
「万里花……っ」
「あっ! らっくん……あっあっ……はああっ……!」
一人で寂しく寝るつもりだったベッドの上で、愛しい人と二人。
いつしかいつもの優しい眼差しに戻っていた楽様を抱きしめながら、幸せな気持ちとともに今度こそ私は眠りにつきました。
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