20:名無しNIPPER
2015/06/11(木) 00:30:55.10 ID:kmZ4QHJb0
◆エピローグ アマザケ
「ううん……どうしてこんなに身体が痛いのかしら……」
そんなことを言いながら、千棘がぐーっと伸びをする。
「ホントだね。やっぱり慣れない着物で初詣に行ったから、普段使わない筋肉を使っちゃったのかも」
その隣で、同じく痛そうに足と腰をさすりながら小野寺が相づちを打つ。
どうやら、何も覚えていないようだ。
少し離れたところから、なんとも言えない目付きでこちらを伺う鶫の様子は気になるものの、一条楽はホッと安堵の息を吐いた。
昨日はあれからほとんどのメンバーが満身創痍で動くこともできなかったため、
どうにか運び込まれた一条家に一泊し、翌日の朝を迎えていたのだった。
一方の楽はというと、神主さんから手渡された謎のドリンクを飲んだことで普段の彼とは真逆の言動を繰り返してしまったものの、
その後に起きた一部始終を……覚えていた。
小野寺姉妹と出会い、鶇と千棘の襲撃を受け、羽姉のお説教を軽くあしらい、そして……。
「楽さまーっ!!!!」
「うおおっ!?」
いつもよりも数倍の勢いとテンションを伴う背後からの万里花タックルを受けて、
楽はちゃぶ台の上に並べられた朝ご飯の品々に頭から突っ込みそうになった。
「あ、危ねえな、橘!」
「たちばな?」
「あ、いや……ま、万里花……」
可愛く首を傾げながら巧みに下の名前での呼びかけを要求する万里花の姿に、
昨夜の思い出がよみがえり、思わず赤面してしまう。
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