過去ログ - 岸辺露伴は動かない〜エピソード9・くねくね〜
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◆Brmz8JLUSQc8
[saga]
2015/06/11(木) 22:03:25.87 ID:AYcCl19s0
電車から降りた後、呼んでおいたタクシーに乗り数十分すると今回泊まる宿に到着した。
「おやおや、とーきょーの方ですか。これはこれは遠いところまでお越しくださって……ささ、お荷物はこちらに」
「あ、ありがとうございます」
「最近はいんたーねっと? のお陰もあり、あなた達みたいな若い人がよくお越しになられるのよ。ありがたいのはこちらのほうよ〜」
「……なぁ、なんでこんなボロっちい宿屋なんかに泊まるんだよ」
「経費削減もそうなんすけどぉ〜、例の怪談はこの宿のある部屋からよく見れるらしいんすよ」
「もう少し何とかならなかったのか……というか、君は実家に戻ればいいじゃないか」
「いやぁ〜、帰るたんびに見合いだなんだって言われて……メンドイんすよ」
「……ハァ。僕の邪魔をしないでくれよ?」
中に入ると少しはマシなようだ。なんでもあの外見は例の怪談を見に来た客が雰囲気を味わえるようにとのことだった。
「こちらの部屋でございます。お夕飯は7時でよろしいでしょうか?」
「あぁ、べつにそれでいいよ。荷物はそこらに置いといてくれ」
「かしこまりましたら。お食事が出来次第及びさせていただきます」
僕らにあてがわれた部屋はそこそこの広さの和室だった。南に面した窓からは一面の田んぼと遠くの方に連なる山々が見て取れた。
また、部屋の奥には小さなテーブルと腰掛けられる椅子が置いてある。こういうのはよく見かけるが、外人が泊まる為のものなのだろうか。
「んで、その『クネクネ』はどこに現れるんだい? この部屋からも見れるんだろう?」
「はい、そのはずです。ただしぃ〜、肉眼では見えないそうですよ。そこで、これを持ってきましたぁ〜」
「双眼鏡〜〜? まぁ、君から聞いた話の中でもそんなこと言ってたけど……こんなに広い田んぼをそれで探すのか? 」
「だいたいの方向は分かってるんですよぉ〜。あの大きな山が右斜めにある角度なんで……こっちかな?」
そう言って彼は双眼鏡から一面の田んぼを覗き込む。こんなにたくさんの田んぼから人影を探すのなんて、砂浜に落ちたボールを探すのと同じくらい大変だろうに。
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