過去ログ - 川崎沙希に幸福を -SS速報VIP

過去ログ - 川崎沙希に幸福を

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218:名無しNIPPER[sage saga]
2015/06/20(土) 00:33:40.82 ID:olnx657vo
平静を保った声を出せただろうか。

ずっと抱えていた心のもやもやが晴れた気がした。

それにしても、随分とあっさり答えてくれたものだ。

以下略

219:名無しNIPPER[sage saga]
2015/06/20(土) 00:36:03.16 ID:olnx657vo
「あんたさ、なんで付き合わなかったの？」

「なんだその質問。付き合ってたほうがよかったのかよ」

「あ、いや、全然そんなことなくて、むしろ嬉しいけど……や、そうじゃなくて、えーと……」

以下略

220:名無しNIPPER[sage saga]
2015/06/20(土) 00:37:33.31 ID:olnx657vo
また言うつもりのない余計なことを言ってしまった。

まともに目を見れなくなったので体を動かして、ベッドにいる彼に背を向ける。

少しだけの間を置いて、これまでとは違う寂しそうな声が背後から聞こえた。

以下略

221:名無しNIPPER[sage saga]
2015/06/20(土) 00:39:35.05 ID:olnx657vo
先程より少しだけ楽しそうな声に聞こえた。

振り返り、彼の顔を正面から見据えて言葉を伝える。

「知ってるよ、そんなの。あたしはたぶん、あんたと似てるから……。だから、なんとなくわかることもあるんだよ」

以下略

222:名無しNIPPER[sage saga]
2015/06/20(土) 00:40:57.16 ID:olnx657vo
「そ、それにしてもあれだな。重い男って最悪だなマジで。俺なら絶対付き合いたくねぇ」

交錯する視線の圧力に耐えかねたのか、彼は勢いよく顔を背けてしまった。

よ、よし、勝った。いや違う。

以下略

223:名無しNIPPER[sage saga]
2015/06/20(土) 00:42:55.99 ID:olnx657vo
「はぁ？え？ん？」

…………また余計なこと言った！

なんかもう、半分ぐらい告白してるような気がしてきた。

以下略

224:名無しNIPPER[sage saga]
2015/06/20(土) 00:44:37.33 ID:olnx657vo
今度はあたしが気まずい空気に耐えることができず、この日は逃げるように彼の部屋を後にすることになった。

足早に駅に向かって歩いていると、自分の掘った数々の墓穴の言葉が頭にリフレインして、枕に向かって叫びたい衝動に駆られる。

というか帰ったら絶対やる。

以下略

225:名無しNIPPER[sage saga]
2015/06/20(土) 00:47:11.62 ID:olnx657vo
ごめん比企谷。あたしのせいだ……。

相変わらず隣り合って座ってはいるけど、心なしか物理的にも距離が離れた気がする。

自業自得なんだけど、その数センチ、数十センチの差がものすごく寂しい。

以下略

226:名無しNIPPER[sage saga]
2015/06/20(土) 00:48:33.09 ID:olnx657vo
「川崎」

「な、なな、なに？」

喜ぶべきかもしれないけど驚きのほうが勝った結果、怪しすぎる返答しかできなかった。

以下略

227:名無しNIPPER[sage saga]
2015/06/20(土) 00:50:03.05 ID:olnx657vo
「は？お前が考えるんじゃねぇのか。お前の行きたいとこでいいよ」

「ごめん、実現すると思ってなかったから全然考えてなかった……」

こんなことならちゃんと考えておけばよかった。

以下略

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