108:名無しNIPPER[saga]
2015/06/19(金) 12:30:07.32 ID:978zBMZDO
「恩返し、か」
「そうだね。だからライも、もっと僕を頼ってくれると嬉しい。それが恩返しにもなるんだから」
「……そうだな」
「うん」
クレープを食べ終えた二人は、どちらともなく立ち上がった。
「だが、どうしてクレープを?」
「ミレイさんが怒ってたんだよ。君が全然、食事をまともにとらないって」
「いや、しかしな……」
「駄目だよ。しっかり食事はしなくちゃ。ルルーシュじゃないんだから」
「…………」
地雷を踏んでしまったらしい。スザクからの説教が始まろうとしていた。これは以前、生徒会室でルルーシュが食らっているのを見た。かなり長かった覚えがある。
説教をたっぷり十分近く受け、
「分かったかい?」
「善処する」
すっかり物分かりが良くなったライは頷いた。
「じゃあ、僕はこれで」
「あ、送っていくよ」
「大丈夫だ。君は帰って、明日に備えた方がいい」
「……そうかい?」
「ああ。今日は有意義な話を聞けた。感謝している」
「分かった。じゃあ、また学校でね」
手を振り、スザクは去っていった。そういえば、と気になる。彼は今日、放課後に用事が出来たといって学校を飛び出して行ったのだ。
ライはもう一度、大型モニターを見た。映っているのは黒の騎士団が今日もゲットーで活躍したというニュースだった。あれと関係しているのかもしれない。
(危険な事はしていないと良いが……)
優しい少年の後ろ姿を思い出す。クレープを口元につけたまま去っていくぐらいだから余裕はあるのかもしれないが、それでも心配だった。
空を見上げる。大きな月が顔を出していた。
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