129:名無しNIPPER[saga]
2015/06/20(土) 22:13:04.25 ID:SeLyu7oDO
「気を遣わなくて良い。その方がナナリーも喜ぶ」
「流石に兄妹の時間を邪魔するわけにはいかない。それくらいの分別はある。それに……」
ライはナナリーをもう一度見た。その横顔からは、以前のような硬質さが無くなった……とまではいかないが、だいぶ和らいだように見えた。
「色々と気付いた事もあるから」
そう言われては、何も言い返せなかった。
「……そうか」
自然と、ルルーシュも笑みを浮かべていた。しかし次の瞬間、ライの一言でその表情が凍った。
「そういえば、ルルーシュ。最近はピザを良く頼むのか」
「……なに?」
「配達員の人が僕の部屋を訪ねて来ることが度々あって……。ランペルージさんへと言われるから」
「あ、ああ……。ほら、生徒会で頼むんだよ。お前はまだ知らないかもしれないがな。これも副会長の仕事だ」
「そうか」
疑う素振りも見せず、ライは素直に頷いた。その彼に、ナナリーがおずおずと声をかける。
「あの……ライさん?」
「ん……?」
「良ければ……またこうして、お話して頂けますか?」
そう言われたライはこちらの方を見た。保護者の了解を得なければならないと思ったのだろう。ルルーシュは肩をすくめた。
「そうだな。俺からも頼む」
「……分かった。ナナリーがそう言うなら、喜んで」
「はい!」
満面の笑み。また風が吹いて、周囲の木々がざわめいた。花びらが舞う中、ルルーシュはライを見て思った。
変な奴だ、と。
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