140:名無しNIPPER[saga]
2015/06/22(月) 08:15:22.19 ID:77iltqVDO
シャーリーは納得してくれたようだ。これで危機は脱した。無表情は崩れないが、内心ではほっと胸をなで下ろしていた。
「じゃあさ、提案なんだけど……」
「……?」
「日記帳選ぶの、手伝って欲しいんだ。駄目かな?」
「いや……」
そういうのはルルーシュに頼んだ方が良いのではないか。
リヴァルからの情報で、シャーリーがルルーシュを憎からず思っている事は知っている。記憶喪失のライより、幅広い知識を持つ彼に選んでもらうのが、得策だと考えた。
そこで、ふと考え直す。
なぜ彼女が自分に頼んで来たのか。効率的ではない事など、百も承知だろうに。その理由とは何か。
きっと優しさに違いない。シャーリーは関係の希薄なライに対して、手を差し伸べようとしてくれているのだ。それくらいは理解出来る。
「……僕で良ければ」
口から出たのはどうしようもなく淡白な言葉だった。しかし、シャーリーは笑顔で頷く。
「じゃあ、行こっか!」
軽やかな足取り。彼女の背中が、無機質だった繁華街の風景に色を与えてくれた。
(色……か)
ライは立ち上がり、彼女の後に続いた。ありふれた単語だが、どうしても頭の片隅に引っかかった。
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