141:名無しNIPPER[saga]
2015/06/22(月) 08:31:04.65 ID:77iltqVDO
「これなんかどう?」
「装飾過多だな。長く使うものだ。デザインはシンプルな方が良いだろう」
「そっか……確かに」
シャーリーはゴテゴテの装飾品にまみれた日記帳を置いた。次に取ったのは、シックなデザインのいかにも高級そうな物だった。金装飾が入っている。
「これなんか……」
「値段が予算の三倍以上なんだが」
「げっ!? た、高過ぎ……!」
それを慎重に棚へ戻す。どうして日記帳一つにここまで執心するのか分からないが、きっと彼女にとって大事な事なのだろう。
「あ、これ可愛い」
「だが、値段が……」
「む……」
また商品を棚に戻してから、シャーリーはこちらを向いた。
「君、値段の事ばっかり気にするのね」
「……そうだな」
値段の事くらいしか話題が無いのだ。話術というのは知識と常識とユーモアによって構成される。ライにはそのどれもが無かった。
再び日記帳の選定に戻ったシャーリーに、何か言葉を掛けなくてはと焦る。これでは彼女が一人で選んでいるのと同じだ。
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