142:名無しNIPPER[saga]
2015/06/22(月) 09:00:40.04 ID:77iltqVDO
「日記帳には、何を書いているんだ」
「…………」
頭に浮かんだ素朴な疑問。書く内容を知れば、何かしらの手助けになると思ったのだが、シャーリーの手はピタリと止まった。
「どうした」
ギロリと睨まれる。彼女の顔は赤く染まっていた。
「普通、聞く? 女の子にそんなこと……」
「……?」
「まったく……」
意味が分からず、ライは首を傾げた。シャーリーは赤くなった頬を冷ますように首を振る。
「君の事も、ちゃんと書いてるからね。今日も仏頂面でしたーとか、また迷子になりましたーとか」
悪戯っ子のような表情になったシャーリーが言ってくる。それが彼女なりの意地悪だという事に、ライは気づかなかった。
「そうか。良く見てくれているんだな」
出たのは感謝の言葉。決して友好的ではない自分を、彼女は善意から気にかけてくれている。有り難いことだと思った。
しかし、
「き、君ねぇ……」
見れば、シャーリーは耳まで赤くなっていた。理由は判然としなかったが、彼女には珍しい、敵意のようなものが見え隠れしている。
1002Res/860.00 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。