196:名無しNIPPER[saga]
2015/06/26(金) 19:19:23.86 ID:AcBC3WIDO
この状態から抜けだせるのなら、何にでも縋ろう。それが藁でも悪魔の手でも、関係なく握るだろう。
もう、誰かに迷惑を掛けるのは嫌だ。
胸を張りたい。自信を持ちたい。せめて、一人でも生きていけるようになりたい。でないと、あの優しい人達の中にいるのは辛過ぎる。
「まどろみの中を漂っていられるなら、その方が良いと思うがな」
「何も知らない、分からないままでなんて、いられるか」
吐き捨てるように言った。少女は聞き分けのない子供を扱うように呟く。
「……仕方のない奴だな」
少女が背を向ける。その途端、周囲の雑音が帰ってきた。ここが街中だという事を忘れていた。
「C.C.だ」
「……? なんだそれは」
「失礼な奴だな。私の名前だ。覚えておけ」
「分かった」
「それと……これも覚えておけ」
まだ何か言うことがあるのか。C.C.は背を向けたまま言った。
「"ギアス"の力を取り戻せば、お前の時間は動き出す」
「ギアス……」
その単語を口にした瞬間、頭の奥がぴりついた。
「自分が何をしたいか、考えておくことだ」
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