203:名無しNIPPER[saga]
2015/06/26(金) 21:19:29.06 ID:AcBC3WIDO
割と近い距離で、ライと三角飛びをした人物は見つめ合っていた。
ひらひらと最後の一枚が落ちてくる。それを掴もうとしていたのだろう、手を伸ばした姿勢で声の主──カレン・シュタットフェルトは硬直していた。驚きに目を見開いている。
「…………」
「…………」
パシッと最後の一枚を取ったライは、それを彼女に差し出した。いつもと変わらない無表情だった。
「あ、その書類は僕が持とう」
書類を受け取るべく、手を伸ばす。しかし、カレンは驚くほど素早い動きで後ずさった。
「え……あ、ちょっ!?」
「……?」
その顔は真っ赤に染まっている。いつも穏やかな彼女らしくない反応だった。
「どうした」
「……み、見た?」
恐る恐る、といった様子だった。まるで長年の努力が水泡にきしたかのような強いショックを受けているようだ。
「何を」
「い、今の……」
「ああ……」
なるほど、そういうことか。合点がいったとばかりに、ライは頷いた。
「良い着地だったな」
「そうじゃなくて!」
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