211:名無しNIPPER[saga]
2015/06/28(日) 18:01:00.50 ID:fPL13rnDO
トウキョウ租界を一通り見回ったライは、図書室を訪れていた。ギアスという手がかりを掴んだ以上、今は落ち着いて現在持っている知識を整理するべきだと思ったからだ。
(だいぶ偏っているからな……)
ライは生まれてから現在に至るまでの記憶がそのまま欠落している。しかしながら、普通に生活している分には不自由を感じたりしていない。
言葉が通じないだとか、食器の使い方が分からないだとか、機械類を動かせないだとか、そういった事はまったくないのだ。
授業の内容も理解出来るし、文化についての知識もある。分からないのは自分の事だけだ。
周りの事は分かる。分からないのは自分の事だけ。強い違和感があった。記憶というのは、こんなにも都合よく失われるものなのか?
考えていても始まらない。ライは図書室内の階段を登り、数冊の本を無造作に取り出した。いずれもブリタニアの歴史を記した物。建国から現在までの歴史学に目を通せば、何か引っかかるものが見つかるかもしれない。
人のいないテーブルに本を置き、高級そうな木椅子を引く。腰を下ろして一冊目を開いた。
地球最強の超大国、神聖ブリタニア帝国の始まりは、チューダー朝期のイングランド王国にある。
皇歴1770年代にあった"ワシントンの乱"の勃発と、"ヨークタウンの戦い"での反乱の首謀者"ジョージ・ワシントン"の戦死。この後、アメリカを植民地としたイングランド王国は絶対君主制でもって、その力を拡大させていった。
しかし勝利ばかりではない。"トラファルガーの海戦"でナポレオンに敗北したのを期に、制海権を握られてしまう。
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