224:名無しNIPPER[saga]
2015/06/29(月) 17:35:53.35 ID:4iXaYZSDO
「今日は、これから仕事か」
窓の外を眺めながら、なんとなしに聞いてみた。
「うん。学園の入り口で待ってるって言われてる」
「……気をつけろよ」
軍の仕事……それも日本人のスザクがやる仕事となれば、真っ当な部類のものではない可能性もある。
「ありがとう。でも、技術職だから危険はないよ」
「そうか」
万が一、危険な仕事だとしても、スザクはその事を言わないだろう。周囲に対しては過度の心配性の癖に、自身にはまったく向かないのだ。心配させたくないだとか思っていそうである。
玄関を出る。入り口の向こうには物々しい外見の大型トレーラーが停車していた。白衣を着た白髪で長身の男性と、軍服を着た女性がこちらを見ている。
ブリタニア軍。その単語にライは確かな拒否感を抱いた。足が止まる。
「どうしたの?」
「……図書室に忘れ物をした。ここで失礼する」
「分かった。今日はありがとう」
「いや、こちらこそ。じゃあ、また学園で」
そう言って背を向ける。
「あ、そうだ!」
「……?」
「もしかしたら君は昔、格闘技か何かをしていたのかもしれないね」
「格闘技……」
「うん。さっき話しかけた時、凄い勢いで間合いをとっていたから」
「…………」
「それだけ伝えたかったんだ。じゃあね」
スザクは走っていく。その背中の向こうでは、白衣の男性が値踏みをするような目でこちらを見ていた。
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