229:名無しNIPPER[saga]
2015/06/29(月) 23:26:23.45 ID:4iXaYZSDO
『そういえば彼、何者なの?』
モニターに映る白髪の男性が訊いてきた。微笑んでいるようにも見える、何を考えているか分からない表情。未だに慣れない。
「彼、というと?」
何だか嫌な予感がして、スザクは聞き返した。現在の彼は狭く暗い室内で一人、固いシートに座っている。肌にぴったりと張りつく、白い奇妙な服を着ていた。
『学園で君と一緒にいた彼だよ。ほら、銀髪の』
白髪の男──ロイド・アスプルンドは無邪気な笑みを浮かべた。完全な好奇心から来るものだろう。スザクよりだいぶ年上のはずだが、こういう子供じみた部分のある人物だった。
「……転入生ですよ」
聞き返したのは失策だったと、スザクは自身の選択を後悔した。かなりの距離があったはずだが、ロイドはライに興味を持ってしまったらしい。
『ふ〜ん……』
『ロイドさん。今は待機中ですよ』
内部のスピーカーに、もう一つ声が増えた。若い女性のものだった。
『僕たちにお呼びなんて掛からないでしょ。これならシミュレータでもやってた方が……』
『命令があった以上、従うのが私たちの仕事です。出撃前のパイロットの集中力を乱すなんて、言語道断でしょう?』
モニター内に声の主のが入ってきた。年齢は二十代半ばといったところで、柔らかな目元が彼女の性格を表している。
彼女はセシル・クルーミー。ロイドと同じ、スザクの上官である。
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