242:名無しNIPPER[saga]
2015/06/30(火) 12:55:16.34 ID:oqH+Nm+DO
この扉、ナナリーが開けたとは考えにくい。咲世子でもないだろう。そんなミスをするならば、彼女は今まで使用人を続けてこれなかったはずだ。
そしてルルーシュは昨晩から不在。となれば、第三者がこの部屋を出入りしているのか。
(……いや、あまり詮索するべきではないな)
そう思い直し、ライはナナリーを見た。そこで気づく。彼女の膝の上に、折りかけの紙切れが置かれているのだ。
「……折り紙か」
「あ……はい。最近、咲世子さんから教えて頂いたんです」
折り紙。なんとなく、ナナリーのイメージに合っている気がした。
「あの……」
ナナリーが口を開く。申し訳なさそうな表情のままだ。しまったと思う。まだこんな時間帯である。迷惑を考えていなかった。
「朝早く訪ねて悪かった。僕はもう行くから」
「あ、いえ……あの。そうではなくて」
「……?」
「いま、お時間があるようでしたら、これを」
折り紙が掲げられる。過程から推測するに、おそらくは折り鶴か。
「もし、よろしければ、ご一緒して頂けませんか?」
ナナリーは不安そうな顔を赤らめている。ライは床に片膝をつき、彼女に目線を合わせた。
「いいのかい?」
「は、はい! お願いします!」
ぱあっと輝く。やはり、ナナリーのこの表情は好きだ。ライは彼女に連れられ、部屋に入った。
1002Res/860.00 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。