246:名無しNIPPER[saga]
2015/06/30(火) 21:46:59.49 ID:oqH+Nm+DO
「どうして折り鶴を?」
尋ねると、ナナリーは手元の紙切れを大事そうに撫でた。
「折り鶴が千羽集まれば、願い事が叶うとされているそうです」
「願い事……」
「はい。生徒会の皆さんが、私の体が早く良くなるようにと折ってくれたんです」
ライは壁に下げられている、大量の折り鶴を見つけた。なるほど、と思う。
「じゃあ、その手伝いを?」
いえ、とナナリーは首を振った。
「これは、私から皆さんへのお返しです。皆さんが笑ってくだされば、私も幸せですから」
「…………」
こういう少女だからこそ、周囲の人間は幸せを願わずにはいられないのだろう。そして、それはライも例外ではなかった。
「僕も、折ってもいいかな?」
許可を得ると、やはりナナリーは嬉しそうに笑って、
「はい!」
頷いてくれた。ライは彼女から差し出された折り紙を一枚取って、淀みのない手付きで折っていく。
瞬く間に、綺麗な折り鶴が完成した。
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