248:名無しNIPPER[saga]
2015/06/30(火) 22:36:14.23 ID:oqH+Nm+DO
その時、玄関の方で鍵の開く音がした。咲世子が来る時間にしては早い。ルルーシュが帰ってきたようだ。
「まずいな」
こんな朝早い時間に妹と二人きりでいる男を、ルルーシュは良く思わないだろう。ただでさえ最近は男女逆転祭のせいでピリピリしているというのに。
しかし、ここで隠れたり逃走したりするのも得策ではないと思えた。堂々としているしかない。
リビングの扉が開く。
「おかえりなさいませ、お兄様」
「ああ、ただいま。遅くなってすまなかった、ナナ……リー」
ルルーシュは徹夜でもしていたのか、眠そうに目頭を抑えながら入室してきた。そのため、ライに気づくのが遅れたようだった。
「おはよう、ルルーシュ。お邪魔させてもらっている」
「……あ、ああ。おはようライ。どうしたんだ、こんな朝早くから」
明らかな動揺があった。寝不足で鈍った頭脳が回転を始めているのが分かる。彼がいらない心配をする前に、不安の芽は摘んでおこうとライは考えた。
「今朝、僕が外に出たら君の部屋のドアが開いていたんだ。一応の安全確認をと思って呼びかけたら、ナナリーが一人で……」
「折り紙をしていたというわけか」
結局、先回りされてしまった。ルルーシュは何かに苛ついたように頭を掻く。
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