256:名無しNIPPER[saga]
2015/07/01(水) 00:31:45.58 ID:s2LAp1eDO
「カレンが僕に好意を抱く理由が無いんだから、そういった関係はありえない」
恋という物の実態は分からないが、おそらくは相手の人格や財産、将来性などを鑑みて構築される関係のはずだ。そのいずれも持ちえないライに対して、異性が好意を抱くというのはありえない話だった。
だが、ルルーシュは違う。彼は一見冷淡なように見えて、実は面倒見が良いし、立ち振る舞いから知性や品性が窺える。学園中の女生徒から人気を集めるのも納得のいく話だ。
「……心配じゃないの?」
まだ疑っているらしい。
今のライが心配している事といえば、シャーリーの声が割と大きかったためにカレンの親衛隊連中の視線が自分に集中していることくらいだ。もっと言えば、その視線に多量の殺意と憎悪が込められていることくらいである。
「……あの二人の関係を疑っているんであれば、君自身が動くことだな」
シャーリーに対して脈が無いのなら、ルルーシュは自分の事を愛称で呼ばせたりしないだろうし、ミレイ会長も応援したりはしないはずだ。
「……むー。そうかな」
「そうだ」
珍しく、ライが他人を諭すような形となった。
恋愛というのも悪くはない。きっと楽しいのだろう。
(……僕にも、いつかはそういう相手が出来るんだろうか)
自信はなかった。
「ごめんね。変なこと聞いて」
やっと納得してくれたのか、シャーリーは自分の席へ戻ろうとする。少しは気分も晴れたようだ。
「そういえば……」
ライが思い出したように口を開いた。大した事を言うような口調ではなかった。
「ルルーシュは今日、朝帰りしていたな」
シャーリーの笑顔が凍った。
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