265:名無しNIPPER[saga]
2015/07/02(木) 11:55:45.32 ID:9ivMzcXDO
足を止め、モニターに関心を示す人間も多い。そういえば、学園でもこの話題は頻繁に飛び交っていたような気がする。
(まあ、どうでもいいか)
黒の騎士団とやらがどれだけ活躍しようが、どれだけ有名になろうが、ライには関係の無い話だった。新進気鋭の反政府組織が自身の記憶にまつわる情報を持っていれば話は別だが、そんな可能性はゼロに近い。
買い出しの品を扱う店に向かうべく、立ち上がる。その時、ふと気配を感じた。背後。すぐそば。他の人間とは違う、異質な空気。そして香ばしい匂い。
そういった情報を整理する前に体が動いた。反転し、相手を正面に見据える。
「…………」
「……また君か」
ライは呆れたような口調で言った。軍服姿の枢木スザクが、右手を前に出したまま驚いた表情をこちらに向けている。何故か左手には紙袋を持っていた。
「びっくりしたよ。本当は僕が驚かせようとしたのに」
「……まったく。僕を驚かせて何の得があるんだ」
「いや、ごめん」
スザクは悪戯が失敗したせいかばつがわるそうに苦笑した。
「何をしてたんだい? こんな時間に」
「買い出しだ。咲世子さんが洗濯用の洗剤と、料理に使う砂糖が切れたと嘆いていたからな」
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