27:名無しNIPPER[saga]
2015/06/14(日) 22:00:39.59 ID:QEdX3JPDO
夜。クラブハウスの廊下で、ルルーシュはある部屋の前に立っていた。既にスザクを交えた三人での夕食を終えて、妹のナナリーを寝かせた後だ。
時刻は夜九時を過ぎた頃。綺麗な月が夜の租界を照らしている。ルルーシュが立っているのは新しく用意されたライの部屋だ。
控えめにノックする。応答は無い。声を掛けてみるが、これまた応答はなかった。出掛けているらしい。カレンの案内がまだ続いているのだろうか。
「……少し待つか」
時間には余裕があった。ルルーシュの部屋は目が届くほど近くにあるため、緊急時はすぐに駆けつけることが出来る。
この後やる事と言えば、シャワーを浴びて"彼ら"への定時連絡を済ませる事くらいだろう。一時間もあれば終わる。
壁に背を預け、目を閉じる。そうして十分ほど待った頃、階段の方から足音が聞こえた。規則正しい旋律で、こちらへ向かってくる。
「……君は」
「夜分遅くすまない。昼間伝え忘れた事があってな」
「それはすまない。待たせてしまったか」
銀髪の少年は気遣いが出来るようだった。まずは長所を一つ見つけた。
「いや、気にしないでくれ。こちらの用事だ」
「……?」
ライは部屋の中へ案内する素振りを見せたが、ルルーシュは遠慮した。この時間は流石に失礼かと思ったのだ。
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