272:名無しNIPPER[saga]
2015/07/02(木) 14:24:06.55 ID:9ivMzcXDO
「黒の騎士団についての答えだが、僕はどうでもいいと思ってる。賛同も反対もしていない」
「そう、だね。確かに、記憶の無い君からしたら、遠い話のように感じるのが当然だと思う」
「ああ。今の僕には、他に優先しなくちゃならない事がある。思想について語るなら、その後だろう」
そう言うと、スザクは頷いて、やっと笑顔を見せた。
「ごめん。変な事を聞いて」
「いや、君の立場も分かるよ。色々と複雑だということぐらいは」
「……そう言ってもらえるとありがたいな」
「だから、ナナリーに会いに行ってやってくれ」
「え……」
「最近、会ってないんだろう。寂しがっていたぞ」
別に責めているわけではなかったが、スザクはそうだね、と言って目を伏せた。軍の仕事が忙しかったのだろう。
「最近、ナナリーに折り紙を教えているんだ」
「折り紙……かい? 君が?」
「……ああ。だから、君も付き合え。ナナリーに申し訳ないと思うならな」
「うん。分かった」
「じゃあ、僕は行くぞ。早く行かないと店が閉まる」
「なら、手伝うよ」
「いい。君は帰って寝ろ。疲れているんだろう」
「大丈夫だって」
「まったく……」
ライはため息を吐く。お人好しが過ぎると思った。だが、スザクとのこういうやり取りは嫌いではない。
仕方なく、ライはスザクと二人で目的の店に向かった。
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