293:名無しNIPPER[saga]
2015/07/06(月) 00:21:56.99 ID:DIPBHoXDO
「授業だってちゃんと受けてますよ」
別に、生徒会の仕事だけをしているわけではない。そう思って言ったのだが、会長の機嫌は直らない。
「……スザク君のノートのためでしょ」
生徒会長はどんどんとふて腐れていく。机に上半身を預け、自身の腕に頭を乗せる。長い金色の髪が、さらりと背中から流れた。
「たまに思うのよね。あなたって、あんまりこの学園のこと好きじゃないのかなぁって」
「……どうしてですか」
「だって、全然笑わないし、食堂にも来ないし、チョップしても驚かないし……未だに迷子になるし」
「…………」
おかしなものも混ざっていたが、それを言われると反論出来なかった。だがしかし、ミレイの懸念は杞憂である。ライがアッシュフォード学園を嫌うなど有り得ない事だ。
「嫌いなんて事は無いですよ。とても良い所だと思っています。その証拠に……」
ライは書類の山から一枚の紙を引っ張り出した。
「来年度の入学希望者が例年より増えているのが、その証拠です」
取り出したのは学校見学者へのパンフレットだった。この時期ともなれば、ブリタニア本国の学生が進路に向けて動き出す。中等部からのエスカレーター組を抜いたとしても、一〇〇〇人を優に超えるだろう。
それが示す通り、私立アッシュフォード学園は本国でも人気がある。卒業後の進学率も高いし、設備も整っている。それでいて全寮制となれば、新しい世界を経験したい若者の目には魅力的に映るらしい。
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